さびときどききじ

静岡県掛川市の、きたがわ動物病院の獣医師によるブログです。業務とは無関係な記事の方が多いかもしれません。子供3人、猫3匹を養いつつ、木工、庭づくり、料理など、手作りにも果敢に挑戦しています。

ノミ・マダニの予防について

こんにちは。

1月は掛川にも寒波が押し寄せ、庭の金魚鉢もスケートリンクのようになりました。

氷をわってみると、厚さは15センチはあろうかというところ。

年に1度は薄氷がはることはありましたが、ここまでの凍結は初めてです。

中の金魚が心配でしたが、子供らによって無事救出されました。

変温動物ってすごい!

 

さて、そうこうしている間にも季節は進んでおります。

動物も植物も、虫たちも春の準備をしているわけです。

近年、ヒトや動物のウィルス感染症の媒介者として有名になりつつあるマダニも、

落ち葉の陰などでひっそりと越冬しています。

春になると活動を開始するマダニですが、掛川では、地域や気温によっては3月中旬頃からマダニがつくわんちゃんが見られます。3月はまだフィラリアの時期ではないので、予防を忘れがちです。昨年3月にマダニがついちゃった...とういうわんちゃんは、今年は3月からの予防をこころがけましょう。

 

春に活動を開始した成ダニは、吸血後1~数か月で産卵をします。そこで生まれた幼ダニが成長して同じく吸血活動を繰り返して成長していきますので、9月~秋頃にはこの若いダニの数が増えます。春だけではなく、秋もしっかり予防しましょう。

また、近年はドッグランなどでわんちゃんどうしの接触の機会が多く、マナーとして年中予防される方も増えています。

 

さて、予防薬について簡単にご説明します。

大きく分類すると、皮膚にたらすタイプ(スポットタイプ)と食べるタイプ(おやつタイプ)のお薬があります。

 

スポットタイプは、月に1度、液体状のお薬を首の後ろの皮膚につけることで、予防をします。薬の成分が全身の皮脂腺に浸透して、皮膚を噛んだマダニを駆虫します。

首の後ろにつけるのをわんちゃんがいやがらなければ、手軽に予防ができます。

デメリットとしては、2頭以上で飼育されている場合に、つけた個所をお互いになめあってしまう可能性があること、また、お薬をつけた後1~2日はシャンプーを控えなければならない点でしょうか。

 

つけるタイプが苦手なわんちゃん、多頭飼育の方、シャンプーの予定を考慮するのが面倒だよという方には、食べるおやつタイプがおすすめです。

フィラリア予防と同じ感覚で、月に1度食べさせるだけでノミ・マダニの予防ができます。デメリットは、スポットタイプより割高であるという点です。

ここ数年は、食べるタイプのノミ・マダニ予防薬も種類が増え、こちらを選ぶ方も増えているように感じます。

前回ご紹介した、フィラリアとノミ・マダニのどちらも1粒で予防できるおやつタイプのものも人気ですね。

 

フィラリア予防とあわせて検討すると、例えば、

フィラリアはおやつタイプ、ノミ・マダニはスポットタイプ」

フィラリアもノミ・マダニもおやつタイプ」

フィラリアは注射で、ノミ・マダニはつけるタイプ」

フィラリアは注射で、ノミ・マダニはおやつタイプ」

などのパターンになってきます。

 

わんちゃんの年齢や生活スタイル、性格にあわせて選んであげましょう。

気になる金額ですが、おおまかに言えば、フィラリア予防薬はおやつタイプが、ノミ・マダニはつけるタイプが一番安いかと思います。

金額やその他の詳細は直接お尋ねください。

 

前回もお伝えしましたが、膀胱炎のわんちゃん、ねこさんの来院が増えています。

排尿の様子に気を付けてあげましょう。