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さびときどききじ

静岡県掛川市の、きたがわ動物病院の獣医師によるブログです。業務とは無関係な記事の方が多いかもしれません。子供3人、猫3匹を養いつつ、木工、庭づくり、料理など、手作りにも果敢に挑戦しています。

ウサギさんのミミダニ

うさぎ 診療
こんにちは。
 
6月も後半となり、我が家の息子たちの髪の毛も湿気と汗でクルクルと巻き上がる
季節となりました。
 
この時期の動物たちの病気といえば、マラセチアや細菌性の外耳炎ですが、
今日は、外耳や耳介の皮膚に寄生するダニによる外耳炎をご紹介します。
 
症例は、耳介の塊状の痂皮(かさぶた)を主訴に来院したうさぎさん
(ライオンロップ)です。
 

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耳介の中央に、かさかさに盛り上がった大きなかさぶた(痂疲)があります。

かさぶたの周りには、痒くて掻いたであろう掻き傷があります。

 
このかさぶたを少し削って顕微鏡で観察したところ、ミミダニ(ウサギキュウセンヒゼンダニ)が見つかりました。
(肝心の顕微鏡写真を残しておくのを忘れてしまいましたが・・・)
 
ヒトや動物の体表から吸血して小豆のように大きくなるマダニではなく、顕微鏡レベルのダニですが、よーく見ると動いているのが見えます。
この症例では、成ダニ、幼ダニ、卵・・・とひととおりの生活環が観察され、この
分厚いかさぶたの中で、ダニの生活・繁殖サイクルがまわっているのがわかります。
ダニたちにとっては、すごく居心地のいい場所になってしまっていますが、寄生された
ウサギさんはとても痒いです。
(・・・写真がなくて申し訳ありません。)
 
ミミダニの駆除は、皮膚へのスポット(滴下)タイプの駆虫薬で行います。
ウサギさんで用いられる駆虫薬は、
f:id:kitagawaanimals:20160621160358j:image
 
↑「レボリューション」
 
イヌ・ネコ用ですが、ウサギさんにもよく使われます。
皮膚から吸収された薬剤が、ミミダニの他にも幅広い種類の寄生虫を駆除します。
最近発売された駆虫薬では、
 
f:id:kitagawaanimals:20160621160411j:image
 
↑「アドボケート」
があります。こちらもレボリューションとは有効成分が異なりますが、効果はほぼ同じです。
 
これらスポットタイプの駆虫薬は、お薬の苦手なネコさんやうさぎさんにとても重宝します。
 
 駆虫薬を滴下して2週間後。
 
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かさぶたは小さくなりましたが、まだ残っており、ダニも顕微鏡で観察されます。
再度駆虫薬の滴下を行いました。
 
 さらに2週間後、
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かさぶたが剥がれ、正常な皮膚に戻りました。
ダニが消えたため、かゆみもなくなり掻き傷も治癒しています。
(若いので皮膚の回復も早いです。)
最後にダメ押しで駆虫薬を滴下して、治療は完了です。
 
ロップイヤーなど、耳が大きく垂れる種類のウサギさんは、湿気がこもって
外耳炎になりやすいですが、耳が垂れているために耳介の異常に気付きにくい
ケースもあります。
ときどき、耳介の内側や耳の付け根に異常がないか見てあげるといいですね。
ダニのような外部寄生虫は、この季節が大好きで、繁殖力も強くなります。
逆にウサギさんは、高温多湿の日本の夏が苦手。体力の消耗も大きくなります。
夏を快適に過ごさせてあげるため、普段の様子をよく観察してあげましょう。
 
物言わぬ動物たち。その中でもウサギさんは特に病気に気付くのが難しい生き物です。
いつもと何か違うな・・・と感じたら早めに受診しましょう。
 

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